「補完食(complementary feeding)」って何?
補完食とは、WHOが提唱する「母乳や粉ミルクだけでは足りなくなる栄養を補うため、通常生後6か月にはじめ23か月まで続ける食事」のことです。英語ではComplementary feedingと表記されます。
補完食と離乳食の違い
基本の考え方としては補完食≒離乳食で良いと思うのですが、補完食のガイドラインはWHOが作成していることもあり、どんな地域でも参考にしやすい概論的な内容になっています。反対に離乳食は、日本の食文化に寄り添ってより詳細かつ慎重にガイドが引かれている印象です。
例えば大きな違いとして、開始当初の1日あたりの食事回数が補完食では2回、離乳食では1回です。
これは、生後6か月になると「成長に必要な栄養」と「母乳や粉ミルクから得られる栄養」の間のギャップが大きくなる一方で、赤ちゃんは胃が小さく一度にたくさんのものを食べられないためです。少量でも回数が増えれば、総量が確保しやすいよね、という考え方ですね。補完食では、その後生後6~7ヶ月で1日3回、12か月までには1日5回に食事回数を増やすことが推奨されています。
他にも、離乳食と比べると早い段階でたんぱく質や鉄を補う食品(赤身のお魚やお肉など)を食べはじめる、お粥はエネルギーを補うため水分で薄めすぎず5倍粥程度からはじめる、などの方針の違いがあります。
「補完食」を学ぶのにおすすめのソース
私は補完食について、ガイドラインと本を何冊か読んで勉強しました。
WHOのwebサイトはすべて英語で、私も全部読んだわけではありませんが、おおもとになる考え方が記載されています。
WHOのガイドライン
WHO Guideline for complementary feeding of infants and young children 6-23 months of age (2023/10)
こちらの書籍は日本で補完食のガイドラインを実践するための本で、理解を深めるためにおすすめです。
何冊か読んだ補完食の本の中で最も読みやすく、補完食と離乳食のいいとこ取りで進めていこう!という柔軟な方針なので気楽な気持ちで読み進められます。時間がない場合は、ひとまずこちらを通読すると良いと思います。
最後に、直球に「補完食」の本ではないのですが、子どもの成長に必要な栄養を補うことの大切さを再確認できるこちらの書籍もおすすめです。身体的な成長だけでなく、精神面や口腔機能への影響を様々な専門家の視点から学ぶことができます。
補完食を取り入れた2つの理由
補完食の考え方に沿って息子の食事を進めていこうと決めた理由は、大きく2つあります。
- 食材の順番や食事回数の制約が少なく、自分で計画して柔軟に進めていくやり方が合っていると感じたから
- 産後ダイエットを通して食事の重要性を実感しており、息子にも栄養バランスの整った食生活を習慣づけたかったから
息子よりも少し月齢が上の子どもをもつ友人たちから聞いていたのが「離乳食や幼児食は本当に大変。食べること自体を嫌がったり偏食があったり、準備や食べた後の片付けも面倒。ミルクだけの間が最高だよ!」という言葉。
実態は分からないながらも、私もなんとなく「離乳食って大変なんだ」「色々ルールがあってなかなか進まなくて、モチベーション保てるかな」と不安な気持ちだけが募っていました。
そんな時、ふとしたきっかけで「補完食」という言葉があることを知りました。ちょうど産後ダイエットで自分の食事改善をしているタイミングだったこともあり、「エネルギー、たんぱく質、ビタミンなどの栄養ギャップを埋める食事」というコンセプトに共感して勉強してみることに。
補完食のガイドラインや書籍では、詳細な進め方でなく基本的な考え方を学ぶことができ、自分でアレンジしながら進められそうだと思ったことが、私にとっては大きなプラス要素でした。
同時に、レシピは基本的に離乳食のものを参考にすることが多いです。離乳食のレシピはたくさんの種類があり美味しそうなものが多く、読むだけでモチベーションアップにも繋がると感じています。
わが家の補完食スタイル
わが家では、生後5か月4日に補完食を開始し2日目からは朝と夕方の2回食を実践しています。
はじめての食事はお粥、10倍粥ではなく5倍粥に少しお湯を足したものから開始しました。お湯を足しているので、実際の濃さとしては7倍粥くらいだったと思います。徐々に足すお湯の量を減らし、3週目からは5倍粥をそのまま食べています。
5倍粥にした理由は、エネルギーをしっかり補給するためです。前の項でご紹介した「赤ちゃんのための補完食入門」によると、5倍粥の濃さでようやくミルクよりもgあたりのカロリーが高くなるそうです。水分で小さい胃をいっぱいにしてしまわないように、「濃い」食事を準備するように心がけています。
また、初めての食材は1日につき1つ、月曜日から土曜日のかかりつけの小児科に駆け込める時間帯に試していく、皮膚を守るために食前にベビーワセリンを塗る、といったことは離乳食と共通です。
ただし、食材の進め方は不足しがちな栄養素である鉄・たんぱく質・亜鉛などが補えるよう、魚・肉・レバーを早い段階で食べ進めています。
※この記事は専門家の書いた記事ではなく、我が家の息子の成長記録です。お子さまによっても状況によっても千差万別のお悩みがあると思いますが、あくまでどなたかの「参考」になることを祈って公開します
まとめ|補完食の考え方を取り入れてみて感じたこと
息子の補完食をはじめて約2か月。栄養バランスを考えながら食事の準備をすることも、息子が一生懸命ごはんを食べるのを見ることも、とても楽しめています。
冷凍ストックを確認しながら「たんぱく源はこの食材から、エネルギー源はこの食材から、そうすると鉄分が少なそうだから、この野菜を足そうかな」と、あれこれ考えて準備。細かい決まりはありませんが考え方の軸はしっかりあるので、献立迷子になることはありません。
補完食の考え方では「もぐもぐ期」「かみかみ期」「ぱくぱく期」と月齢が進んでいっても、食材の形状を変えて味付けを少しずつ大人に近づけていくだけなので、今後もストレスなく進めていけそうです。
また、栄養のことは学べば学ぶほど色んな疑問が出てきて、補完食はもちろん息子の食事のことですが、夫や自分の食事にも応用できる部分がたくさんあります。
味付けや形状は違いますが、基本的な献立作りの考え方は大人の食事でも一緒。家族みんなで健康的な食習慣をつけていきたいなと思っています。
関連記事|わが家の補完食・離乳食ログ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
息子の補完食に関しては、月齢ごとにスケジュールや献立例、ミルクとのバランス、口腔発達の状況などを記事にまとめています。よろしければ、こちらも併せてご覧ください。
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