WHO補完食とは?
補完食とは、WHOが提唱する「母乳や粉ミルクだけでは足りなくなる栄養を補うため、通常生後6か月にはじめ23か月まで続ける食事」のことです。基本の考え方としては補完食≒離乳食でなのですが、補完食のガイドラインはWHOが作成していることもあり、どんな地域でも参考にしやすい概論的な内容になっています。
例えば、赤ちゃんの胃は小さいため負担を少なく栄養をしっかり摂れるように1日2回食からはじめること、不足しがちな鉄・タンパク質・亜鉛などを補うためレバー・赤身肉・魚などを離乳食より早いタイミングから試していくこと、などが離乳食との主な違いです。
我が家では補完食の考え方をメインにしつつ、離乳食のレシピなども参考に進めています。
補完食の考え方を取り入れて息子の食事を始めた理由と補完食の大枠の説明はこちらの記事に詳しくまとめていますので、もしよろしければご覧ください。

生後5か月/はじめての補完食の基本スタイル
赤ちゃんは生後6か月頃から、母乳やミルクだけだと成長に十分な栄養が摂取できなくなり、その後も栄養ギャップ(必要な栄養と母乳やミルクでの摂取量の差)が大きくなっていくそうです。
このため生後5か月の間は、生後6か月から本格的に栄養を補う献立が立てられるように色々な食材を試していくことにしました。
具体的には、以下のようなルールと工夫で進めていました。
- スケジュール:起床後と就寝前の1日2回食でルーティン化
- 献立づくり:細かくしすぎず4つのポイントに集約
- つくりおき:冷凍ストックで毎食前の準備を最小限に
- おまけ:セルフフィーダーで「自分でやりたい」気持ちを尊重
それぞれ解説していきますね。
① スケジュール:起床後と就寝前の1日2回食でルーティン化
食事をはじめるまでは日中3時間おきだった授乳のリズムを4時間おきに変更し、朝いちばんの授乳前と夜の就寝前ルーティンに組み込むかたちで1日2回食をはじめました。

こうすることで、保育園に通っている平日はもちろん休日も8時ごろ~17時半はミルクのみ。日中は食事の心配をする必要がないので、外出などのスケジュールも組みやすかったです。
保育園での給食を開始すると11時半の昼食が追加になり、おやつも追加されると15時半になるので、ちょうど今ミルクを飲んでいるタイミングで食事も追加することができるかなと思っています。
ちなみに、3週目以降は1食で100g前後の量を食べられるようになりました。これに伴って、食事後すぐのミルク量はどんどん減っています。少ない時は10ml、多くても80mlくらい。多分もうなくしても大丈夫なのですが、おまけみたいに続けています。
こちらは1日3回食になるタイミングで、また見直そうと思ってます。
② 献立づくり:細かくしすぎず4つのポイントに集約
補完食は「ミルクで不足する栄養素を補う食事」なので、本来は不足しやすい栄養素を細かくチェックすべきだと思うのですが、毎日食事の準備をするだけで精一杯なのが正直なところです。毎食の栄養価をチェックするのは現実的ではないので、大枠を外さないようにいくつかポイントを絞って献立づくりをしています。
- 主菜は20%、動物性たんぱく質を意識
赤ちゃんの理想のPFCバランスを考えた時、たんぱく質は15%程度摂りたいところ。母乳やミルクだけだと約8~10%の比率になるので、補完食では多めの20%を意識しています。肉・魚・卵などの動物性たんぱく質は吸収率が良いので、初期の食事から試して献立に組み込めるようにしていました。
- 主食は40%、水分で薄めすぎない
お米・いも類・パン(豆乳でふやかしてお粥に)・オートミールを使っていました。どれも水分で薄めすぎないことを意識し、お米に関しては5倍粥をつくってブレンダーでペースト状にしていました。はじめの2週間くらいは5倍粥をお湯ですこしのばしていたので、実際には7倍粥くらいになっていたと思います。その後、3週目からは5倍粥のまま問題なく食べられていました。
- 残りは野菜、いろんな種類と色を入れる
野菜はビタミンなど不足しやすい栄養素の補給にしっかり食べたいのですが、栄養価を管理するのが本当に大変なので、とにかく色んな種類を食べられるように意識していました。食べられることがわかった野菜は、大人の食事を作る時の余りをまとめて蒸してブレンダーでペースト状にし、冷凍。野菜ミックスにしてしまうことで、ブレンダーを都度洗う手間や冷凍の手間も省けます。
- 鉄分はできる時にちょい足し
WHOのガイドラインでも不足しやすい栄養素の代表例として挙げられている鉄分ですが、鉄分だけを補おうとすると献立作りがとっても難しいです。このため、吸収効率の良いヘム鉄を含むレバー・赤身の肉魚を主菜にコンスタントに取り入れつつ、レバーパウダーや鉄強化のライスシリアル、調味料(コンソメや野菜だし)、きなこや豆腐などの大豆製品を可能な範囲でちょい足しするように意識しました。
完ぺきな栄養管理は難しいですが、大雑把にポイントを絞ると献立を立てるのが楽になるのでおすすめです。
鉄に関するTips
レバー・赤身のお肉やお魚にヘム鉄、小松菜・ほうれん草・かぼちゃ・大豆製品・卵黄に非ヘム鉄が含まれています。非ヘム鉄はヘム鉄に比べて1/5程度の吸収率しかないため、吸収率を上げるためにビタミンCを一緒に摂取することが推奨されています
③ つくりおき:冷凍ストックで毎食前の準備を最小限に
調子のいい時、息子は1食を15分ほどで食べ終えますが、調子の悪い時は30分以上かかることもあります。これが1日2回となると、親は結構な時間を子どもの食事に割くことになります。さらに食べこぼしで周りが汚れてしまった時にはしゃがんだり立ったりを繰り返しながら片付けて…。
補完食を1か月進めてみてわかったことは、とにかく親のストレスを最小限に心の余裕を持って息子と向き合うことが大事ということです。そのためには、削れるところは削ることが大事。我が家では、毎食の準備の時間を可能な限り短くしようとしています。
まずはつくりおきについてです。各食材はヘルシオウォーターオーブンでまとめて蒸す、もしくはレンジでチンして柔らかくなるまで火を通し、ブレンダーでペースト状にしてからリッチェルのフリージングトレーで冷凍しています。
はじめは主食のお粥やさつまいもは25ml、その他の食材は15mlのトレーを使用していましたが、息子は食べることが好きだったようで、3週目にはほぼ毎食完食するように。食後のミルクもごくごく飲んでいたので少し量を増やそうと思い、4週目以降は主食を50ml、その他は25mlや15mlにしました。
毎食前は、冷凍していたストックをいくつか合わせて、チンするだけ。一度冷蔵に戻しておくと、冷凍からチンするよりも解凍が早いので、余裕がある時は事前に冷蔵庫に移しておきます。また、食器をたくさん使うと後が大変なので、可能な限りメニューは2つにまとめるようにしていました。
朝ごはん準備のルーティンはInstagramのリール動画も作成してみました。参考になればうれしいです。
④ おまけ:セルフフィーダーで「自分でやりたい」気持ちを尊重
もう一つ、おまけですが欠かせないものがあります。主にフルーツを入れて使う、セルフフィーダーです。
補完食をはじめてすぐから、息子はスプーンを自分で持ちたくて持ちたくて仕方ないようで。手を伸ばしてくるのでできる限り持たせてあげようとしていたのですが、上手く口に入らず食べ物が飛んでいくわ食事はなかなか進まないわでてんてこ舞いになっていました。
自分で食べたい気持ちは尊重してあげたいのですがまだスプーンを上手に扱うことはできずだったので、思い切ってこのフィーダーを購入してみたところ、大当たり!
普段の使い方としては、まずスプーンで食事を食べさせて、調子が良くすぐに完食できるときはそれでおしまい。途中でスプーンに手を伸ばして「自分で食べたいよー」と怒っている時は、フィーダーの出番です。
息子はバナナが好きなので、バナナを入れて渡すと夢中でハムハムしています。それで少し気持ちがまぎれるのか、フィーダーである程度食べた後に再度スプーンで食事をあげると、気を取り直して食べてくれる時が多いです。
このフィーダーを選んだ理由は、つくりがシンプルで食洗器OKなので、お手入れが簡単だと思ったからです。ベージュを使っていますが、デザインもとてもかわいいですよ。
今月の気づきと来月に向けて
補完食を進めてみて気づいたことと、来月試してみたいことを箇条書きにして残しておきます。
良かったこと
- 毎日のスケジュールに補完食を組み込み、習慣化できたこと
- 5か月の終わりには毎食100ml(≒100g)以上食べられるようになったこと
- 小児科の開いている月~土の朝ごはんはほぼ100%新しい食材を試して、計24種類の食材を試せたこと
- Excelで食材ストックと献立予定を管理したことで、夫と上手く連携して食事を準備できたこと
→アナログなところも多いので、来月はもう少し仕組みを整えてより管理しやすくしたい
困ったこととその解決策
- 自分で食べたい気持ちが強く、食べられないことで機嫌が悪くなってしまう時があったこと
→セルフフィーダーを活用して克服。来月は掴み食べも試してみたい - レバーやとうもろこしは風味が好きではないのか、はじめは食が進まなかったこと
→レバーなら甘めの野菜とおかゆを合わせておじやにするなど、単品ではなく他の食材と合わせることで食べてくれるようになった。来月は和出汁やコンソメなどの調味料も試してみたい - 完食しないと、実際に食べた量が分からなかったこと
→食べる量が安定するまでは、食事の前後に計量してもいいかも
1か月のリアル献立カレンダー
細かく見づらいと思いますが、記録のため。来月以降より複雑になっていくと思うので、載せ方検討します。
- 太字は、初めて食べる食材です
- +で区切った食材は同じお皿で混ぜ、/で区切った食材は別のお皿に盛っています
- —の上が朝ごはん、下が夕ごはんです
- <>で囲んだ食材はまとめて調理して冷凍して使っています
- 麦茶は毎食飲んでいるのですが、記載が煩雑になるので3日目以降は省略しています
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
7倍粥 | 7倍粥/麦茶 — 7倍粥/麦茶 | 卵黄+7倍粥 — 卵黄+7倍粥 | 卵黄+7倍粥/にんじん — 卵黄+7倍粥/にんじん | 卵黄+7倍粥/にんじん/豆腐 — 卵黄+7倍粥/にんじん/豆腐 | 卵黄+7倍粥/かぼちゃ/豆腐 — 卵黄+7倍粥/かぼちゃ/豆腐 | しらす+7倍粥/卵黄+かぼちゃ — 卵黄+7倍粥/かぼちゃ/豆腐 |
しらす+7倍粥/にんじん — かぼちゃ+7倍粥/豆腐 | しらす+5倍粥/ほうれん草 — ほうれん草+5倍粥/豆腐 | さつまいも+かぼちゃ/豆腐 — しらす+5倍粥/卵黄+ほうれん草 | りんご+さつまいも/豆腐 — 卵黄+しらす+5倍粥/りんご | りんご+さつまいも/鯛+ほうれん草 — 鯛+卵黄+5倍粥/りんご+にんじん | 鯛+ほうれん草+5倍粥/トマト+りんご — 卵黄+さつまいも/トマト/豆腐 | 卵黄+ほうれん草+5倍粥/りんご+にんじん — りんご+さつまいも 鯛+豆腐 |
卵黄+トマト+5倍粥/ほうれん草+りんご — りんご+さつまいも/鯛+豆腐 | 鶏レバー+卵黄+5倍粥/りんご+にんじん — さつまいも+豆乳+きなこ/鱈+ほうれん草+5倍粥 | りんご+<食パン+豆乳>/鱈+ほうれん草 — にんじん+さつまいも/しらす+ほうれん草 | 鶏レバー+たまねぎ+5倍粥/さつまいも+豆乳+きなこ — 鱈+たまねぎ+豆腐/<食パン+豆乳> | バナナ+<食パン+豆乳>/卵黄+しらす+たまねぎ — 鱈+たまねぎ+つぶし5倍粥/バナナ+豆乳+きなこ | 鶏レバー+オートミール/にんじん+たまねぎ — しらす+ほうれん草+つぶし5倍粥/りんご+にんじん | しらす+じゃがいも/りんご+<食パン+豆乳> — りんご+にんじん/鱈+卵黄+つぶし5倍粥 |
鶏レバー+じゃがいも/きなこ+豆乳+バナナ — 鱈+たまねぎ+オートミール/さつまいも+豆乳+きなこ | 豚ひき肉+じゃがいも/バナナ+<食パン+豆乳> — 卵黄+豆腐/<トマト+にんじん+たまねぎ>+つぶし5倍粥 | ツナ+たまねぎ+つぶし5倍粥/りんご+さつまいも — バナナ+<食パン+豆乳>/鶏レバー+<トマト+にんじん+たまねぎ> | 豚ひき肉+だいこん+つぶし5倍粥/きなこ+豆乳+バナナ — ツナ+たまねぎ+オートミール/きなこ+豆乳+バナナ | 豚ひき肉+<トマト+にんじん+たまねぎ>+つぶし5倍粥/いちご+粉ミルク — 卵黄+だいこん+つぶし5倍粥/じゃがいも+たまねぎ+豆乳 | とうもろこし+たまねぎ+豆乳/豚ひき肉+じゃがいも+豆腐 — ツナ+<トマト+にんじん+たまねぎ>+つぶし5倍粥/いちご+粉ミルク | ブロッコリー+<トマト+にんじん+たまねぎ>+オートミール/卵黄+豆腐 — ツナ+ブロッコリー+じゃがいも+つぶし5倍粥+鶏レバーパウダー/きなこ+豆乳+バナナ |
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